商品画像の6枚目あたりに「当社 vs 他社」の比較表、よく見かけますよね。じつはアレ、お客さんが「うーん、どっちにしようかな…」と迷ったときの最後の一押しになる、超重要な画像です。
でも、作り方を一歩間違えると売れないどころか、景品表示法(景表法)に触れてしまうリスクがあります。最悪、ASIN停止・ショップ停止にもつながりかねない地雷原です。今回は「売れない比較画像の3つの共通点」と、法的にも安全で、かつ売上につながる作り方を、実際に販売しながら見つけてきた視点で解説していきます。
【結論】比較画像の役割と、売れない3つの共通点
結論からいきましょう。比較画像の役割はたった一つ。
「お客さんの『選ぶ迷い』を断ち切って、購入ボタンを押す最後の一押しをする」ことです。
スペックや価格が似た商品が並ぶ中で、「なぜ、この商品を選ぶべきなのか」を論理的に示して、不安を取り除いてあげる。これが比較画像の最大のミッション。ただし、この「他社より優れている」というアピールは、やりすぎると景表法の「優良誤認表示」「有利誤認表示」に触れる危険と隣り合わせです。
そして、このリスクを理解しないまま作られた比較画像には、面白いほど共通点がありました。それがこの3つです。
- 共通点1:根拠のない「No.1」「業界最安値」を書いている
- 共通点2:比較対象が曖昧(誰と比較しているのか明示していない)
- 共通点3:自社に都合のいい項目だけを並べて比較している
ひとつでも当てはまっていたら要注意です。順番に見ていきましょう。
なぜ比較画像で景表法リスクが発生するのか
景表法って聞くと難しそうですが、基本はシンプルなので安心してください。消費者がウソや大げさな広告でだまされないようにするための法律です。比較画像で特に問題になりやすいのが、景表法第5条で禁止されている以下の2つです。
優良誤認表示(第5条第1号)
商品・サービスの品質、規格その他の内容について、実際より著しく優良だと誤認させる表示。
有利誤認表示(第5条第2号)
取引条件について、実際より著しく有利だと誤認させる表示。
(例)「他社商品の2倍の内容量です」と書いてあったのに、実際は同程度だった。
(出典:消費者庁「表示規制の概要」 公式サイト)
ECの比較画像は「他社と比べてウチはこんなにスゴイ!」とアピールするフォーマットそのものなので、優良誤認・有利誤認に触れやすい領域です。違反すると消費者庁から措置命令・課徴金が課されるだけでなく、Amazon・楽天からアカウント停止のペナルティを受けるリスクもあります。「知らなかった」では済まないのが法律の世界。だからこそ、正しい知識で安全に戦う必要があります。
売れない比較画像の3つの共通点とビフォーアフター
今回もシリーズで扱っている「モバイルバッテリー(10000mAh / PD20W出力 / W90×H60×D25mm / 150g / マットアルミ筐体)」を例に、ビフォーアフター形式で見ていきましょう。
共通点1:根拠のない「No.1」「業界最安値」を書いている
【ビフォー:売れない例】
比較画像の上に「業界No.1の充電速度!」「最安値に挑戦!」と、とにかく威勢のいい言葉が並んでいる。
これ、ユーザーから見ると「本当にNo.1なの?」「何の調査に基づいてるの?」とツッコミどころ満載です。景表法では、No.1や「最大」といった最上級表現を使う場合、客観的な調査に基づいて事実であることを証明できなければならないと定められています。自社で勝手に「No.1だ!」と宣言するのは、まさに優良誤認表示にあたる危険な行為。「最安値に挑戦!」も、消費者に「ここが一番安い」と誤解させる意図があれば有利誤認のリスクがつきまといます。
【アフター:売れる改善例】
客観的な事実と具体的な数値で語る。たとえば「PD20W出力対応、0%→50%まで約25分で充電完了(自社測定値)」。曖昧な「No.1」より「25分で半分充電できる」という具体的ベネフィットの方が、お客さんの心に深く刺さります。「自社測定値」「使用環境により異なります」と注釈を正直に書く姿勢は、必ず伝わります。
共通点2:比較対象が曖昧(誰と比較しているのか明示していない)
【ビフォー:売れない例】
比較表の列が「当社」「A社」「B社」と書いてある。
これ、ぶっちゃけ「都合よく作った架空の会社でしょ?」と思われても仕方ありません。危険な点は2つ。①比較表そのものの信憑性が薄れるので「どうせ自社が勝つように作ってるんでしょ」と不信感を与える。②もし「A社」が実在の特定企業を暗示していれば、その会社から「事実と違う」とクレームが入り、法的トラブルに発展することもあります。
【アフター:売れる改善例】
比較対象は、誰が見てもわかる客観的なカテゴリで表現するのが鉄則です。「当社商品」vs「一般的な10000mAhクラス」、「当社新モデル」vs「当社従来モデル」、「PD20W対応モデル」vs「PD非対応モデル」など。特に自社の新旧モデル比較は最も安全かつ効果的。他社を貶めることなく、自社の進化を正々堂々とアピールできます。
共通点3:自社に都合のいい項目だけを並べて比較している
【ビフォー:売れない例】
自社の○マークが5つ並び、他社は×ばかり。「見て!ウチはこんなにすごい!」という気持ちはわかりますが、お客さんは「完璧すぎる…逆に怪しい」と感じます。
不信感を与えるだけじゃありません。自社が重さやサイズで負けている事実を知りながら、その項目を意図的に隠して「総合的にウチが一番」と見せかけると、有利誤認表示と判断される可能性があります。消費者の公正な商品選択を歪める行為は、厳しくチェックされます。
【アフター:売れる改善例】
ユーザーが本当に知りたい選択基準で項目を並べる。モバイルバッテリーなら「容量/出力W/重量/サイズ/価格帯」の5軸。そして、もし自社が他社カテゴリより重いなら、正直にその数値を書くか「同等」と表記する。全部で勝つ必要はありません。「少し重いけれど、その分パワフルな20W出力に対応」と、弱点を認めつつ上回るメリットを伝える。その正直な姿勢こそが、最終的に信頼を勝ち取ります。
今日からできる「売れる比較画像」の3原則
3つの共通点を裏返せば、今日から実践できる原則が見えてきます。
原則1:比較軸は客観的事実(スペック・価格・仕様)に限定する
「すごい」「最高」といった主観的な言葉はNG。「150g」「PD20W対応」「W90×H60×D25mm」のような、誰が見ても変わらない客観的な事実と数値だけで比較しましょう。自社調査が根拠なら「自社調べ(2026年4月時点)」のように、調査主体と時期を明記する脚注を入れるとより誠実です。
原則2:比較対象を「カテゴリ」で表現する(実在他社を名指ししない)
「A社」「B社」のような曖昧表現は避け、「一般的な10000mAhクラス」「当社従来モデル」という客観的なカテゴリで比較します。特定の実在企業を名指ししての比較広告は景表法規制がさらに厳しくなります。最もリスクが低いのは自社新旧モデル比較。差別化訴求しつつ、誰も傷つけない最強の型です。
原則3:項目はユーザーの選択基準で並べる
自社有利な項目だけを並べるのはやめましょう。ユーザーが商品選びで実際に重視するTOP5項目(容量・出力・重量・サイズ・価格帯など)をバランス良く並べるのが鉄則。不利な項目も正直に記載することで、逆に信頼性が高まります。お客さんは「正直な比較」を信頼します。
EC Image Creatorならこう自動化する
「原則はわかったけど、比較軸を考えたりデータを整理するのが大変…」わかります。正直、ゼロから全部やるのは消耗します。
EC Image Creatorは、商品写真と日本語の商品情報を入れるだけで、比較画像を含む8枚のサブ画像セット+出品テキストが短時間で揃うツールです。比較画像の作り込みを、こう後押ししてくれます。
- 市場リサーチ機能で差別化軸のヒントを提示 — 競合商品のスペック情報をAIが分析し、「容量では勝てないけど、軽さなら勝負できるかも」「この価格帯ならPD対応が強みになる」といった、客観的な事実に基づいた差別化軸のヒントを提示してくれます。
- specs欄のテキスト情報が画像に反映 — リサーチで見つけた比較軸(例:「重量150g」「PD20W対応」)をspecs欄に入力しておくと、画像生成時にそのテキスト情報が反映されます。
- 8枚+出品テキストを整合性とれた形で一括生成 — 比較画像だけでなく、他の7枚のサブ画像や商品説明文・タイトル・キャッチコピーまで、一貫した「正直な訴求」で一括生成できます。
- ローカル保存+履歴管理 — 生成物はPCのフォルダに残るので、後から再調整や比較検討がしやすい作りです。
なお、比較表そのものをAIが全自動で描画する機能は現在開発中・将来対応予定です。現時点では、比較画像のレイアウト感と訴求コピーの方向性を整えるうえでの強力なアシスタント、という位置づけになります。AIのヒントを元に景表法に触れない客観事実ベースの比較軸を整理し、差別化の切り口を見つける。そんな使い方が、今の最適解です。
まとめ — 次回は「レビュー画像」で社会的証明
今回は、比較画像に潜む3つの危険と、景表法を守って正直に売上につなげる改善策を解説しました。
【振り返り】
売れない3つの共通点:①根拠のない「No.1」「業界最安値」を書いている ②比較対象が曖昧(A社・B社など) ③自社に都合のいい項目だけ並べている
売れる3原則:①比較軸は客観的事実に限定 → ②比較対象はカテゴリか自社従来品で表現 → ③項目はユーザーの選択基準で並べる
比較画像は自社の強みを伝える「強力な武器」です。でも、作り方を一歩間違えれば、ユーザーの信頼を失い、法的リスクを負う「凶器」にもなります。景表法を守り、お客さんに正直であること。遠回りに見えて、これこそがECで長く太く売れ続ける唯一の条件です。
さて、次回はシリーズB第7回。お客さんの「他の人はどうなんだろう?」という最後の不安を消す、「レビュー画像」がテーマです。せっかく高評価レビューが集まっているのに売上につながらない…その原因はレビューの「見せ方」にあります。次回B7「売れないレビュー画像の3つの共通点|星4.5を視覚化する型」、お楽しみに!
よくある質問
Q1. 「当社比」「自社調べ」と書けば、どんな比較でも問題ない?
問題ないとは限りません。「当社比」「自社調べ」は、あくまで情報の出所を示しているにすぎません。その比較の根拠となるデータや測定方法が合理的でなければ、景表法上の問題となる可能性があります。たとえば、自社に有利な特殊条件下で測定したデータを元に「従来品の2倍の性能」と謳うのは、不当表示リスクが高い行為です。測定条件と時期を明記する方が安全です。
Q2. 楽天とAmazonで、比較画像のルールに違いはある?
基本は景表法ベースで共通ですが、楽天はNo.1表示の審査が特に厳格で、客観的な第三者機関の調査データがない限り使えないケースがほとんどです。Amazonもガイドラインで誤解を招く比較を禁じています。出品する各モールの最新ガイドラインを必ず確認してから画像を入稿してください。詳細は Amazon画像ガイドライン および 楽天サムネイルガイドライン もあわせて参照してください。
Q3. 比較画像に入れる「価格」は、どこの価格を根拠にすればいい?
価格比較は非常にデリケートです。競合の価格は常に変動するため「A社:3,980円」のように断定的に記載すると、情報が古くなった瞬間に有利誤認表示のリスクが生まれます。対策としては、「3,000円台」「4,000円前後」のように価格帯で比較するか、調査時点を「2026年4月1日時点、自社調べ」と明確に併記する方法があります。最も安全なのは、価格ではなく機能やスペックで比較することです。